サハラの風

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揺れるヨルダン政府!そのあまりにも厳しすぎる立場とは!?

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ヨルダン政府が揺れている。

 

ヨルダン

 

日本人の人質は2人とも殺害され、ヨルダン人パイロットとサジダ・リシャウィ死刑囚との人質交渉も、遅々として進んでいない。この状態にヨルダン国民の怒りの矛先は、アブドラ国王を中心とする、ヨルダン政府に向かいつつある。

 

ここでヨルダン政府が抱える背景を整理してみよう。

そもそもヨルダンは、イスラム穏健派であるパレスチナ系住民が70%を占め、伝統的に軍事介入を支持してはいない。

1990年にイラクがクェートに侵略し、それに対してアメリカを中心とする多国籍軍が、イラクに軍事介入する事件が起きた(後にイラク戦争へと発展)。この時もヨルダンの前国王であったフセイン国王は、世論に従って、最後まで軍事介入不参加の姿勢を崩さなかった。

それだけにフセイン国王の息子で、現国王であるアブドラ国王が、イスラム国に対する積極的な軍事介入を行ない、戦闘機を始めて海外派遣するなどしたことは、ヨルダン国内でも大きな波紋を呼んだ。

こうした背景には、ヨルダンで頻発する自爆テロなど、イスラム過激派の攻勢により、国王の権威が弱体させられつつある現状を、打破する為の措置であると言える。しかしながら、世論の反対を押し切って実行したイスラム空爆で、戦闘機のパイロットが捕虜となってしまうという、大事件が起きた。しかも、パイロットはヨルダンでも名門部族を束ねる指折りの名家出身。ヨルダン政府内にも一門出身の官僚が大勢いおり、国王を更なる窮地に追いやった。結果的にはそんな状況が、イスラム国に付け入る隙を与えてしまった訳だ。

安倍総理が中東を訪問して、2億ドルの経済援助を表明した時点で、日本人人質の殺害を示唆。1人をあっさり殺害し、残る1人の釈放の条件として、ヨルダンで60人以上が死亡した、自爆テロの実行犯である、サジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を要求。要求を突きつけられたヨルダン国内から、パイロットの救出が優先との声が挙がるのは必然の流れ。そこでもう1人の日本人を殺害してみせる。

そうすることで、様々な関係機関の利害や主張が複雑に絡み合い、ヨルダンを更なる混迷へと誘う、というシナリオなのだろう。

 

もう一度まとめてみよう。

国内で攻勢を強める対テロへの強硬姿勢を打ち出す為に、国民の反対を押し切って軍事攻撃に参加。

その結果、政府内に多数の身内を抱える、超名門出身パイロットがイスラム国に捕まり、国内で攻勢を強めるテロリストの象徴とてのサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を求められる。

同時に捕らわれていた日本人人質は、日本政府やヨルダン政府の対応が遅いとして、全員殺され、パイロットについては安否すら不明。どんなに綺麗事を言おうとも、経済地盤の弱いヨルダンを、長年に渡って支え続けれくれた日本との関係に、暗い影を落とすことは必至。

日本政府としても、例えそれが人道支援であっても、迂闊に経済援助できなくなったこともあり、今後の両国を巡る外交は、慎重を極めることは必至。

更にこの事件を受けて、米英は地上軍の投入を検討すべきとの新たな姿勢を打ち出しており、イスラム国と国境を隔てるヨルダンにとっては、これまた頭の痛い問題が浮上。

そんなところだろうか?


それにしても同じ人間が殺し合う。何故人間とはこれ程愚かな生き物なのだろうか?

悲しみや憎しみが、また新たな悲しみや憎しみを生む。果てしない連鎖が一体いつになったら、断ち切られるのか?残念ながら、当分終わる兆しは見えない。