サハラの風

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なぜイスラム国(ISIS)は日本の人質殺害動画ではなく写真を公開したのか?

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湯川遙菜さん殺害から日本のメディアにおける遺体の画像・写真・動画の扱い方について考える。

イスラム国(ISIS)に拉致され殺害される外国人は、多くの場合ネットに殺害の瞬間を撮影した動画が公開される。

では何故殺害された日本人ジャーナリストは映像ではなく、静止画像のみが公開されたのだろうか?

 

なぜイスラム国(ISIS)は日本の人質殺害動画ではなく写真を公開したのか?

(戦争捕虜 Photo by Thomas Billhardt / manhhai)

 

湯川遥菜さんの殺害は静止画像で通達

日本政府の懸命の交渉も虚しく、イスラム国に拉致された湯川遥菜さんと見られる人物の殺害写真がツイッターに公開された。日本政府も確認し、残念ながら湯川さんの死亡が確認された。

 

政府はもう一人の人質である後藤健二さんの解放に向けて全力を尽くしていくとになったが、後日イスラム国は後藤さんの解放と交換に、イスラム国の前身組織からの指導者であるサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放をヨルダン政府に要求。

 

交渉は決裂し、後藤さんを殺害したとの声明がネットの動画投稿サイトに投稿された。

 

理解不能な静止画像での公開

しかし何故、イスラム国は湯川さんを殺害する様子を動画にして投稿しなかったのだろうか?

 

湯川さんを殺害したこと時点で、イスラム国は交渉の上で断然有利となった。

 

非常に残念なことではあるが、湯川さんの殺害は、既定路線だったと考えるのが、正しいようにも思える。

 

そして、いつものイスラム国なら衝撃的な映像を見せつけてやろうと考える方が自然だ。

 

しかし、彼らはそれをやらなかった。 ただでさえサジダ・リシャウィ死刑囚の解放はヨルダン政府にとって非常に厳しいく、日本政府としてはヨルダン政府との交渉に手を焼くはずだ。

 

にもかかわらず最も効果的なはずの動画による脅しは一切行わなかった。

 

◆サジダ・リシャウィイスラム国の前身であるアルカイダ系の組織に属していた2005年に、夫と共にヨルダンで自爆テロを起こした人物。
夫の自爆により多くのヨルダン市民が犠牲となったが、彼女の爆弾は爆発せず、警察に身柄を拘束された。
その後裁判で死刑判決を受け、刑の執行を待っている状態だが、ヨルダンでは水曜日に起こったこのテロを皮切りに、多くのテロが発生した。そうしたことから、ヨルダンではこの事件を「血の水曜日」として深く記憶に留めると共に、彼女に対する国民感情は非常に激しいものがある。イラク

 

死体に対する日本人の嫌悪感

名古屋の小学校や栃木の中学校で、イスラム国に殺害された湯川遥菜さんや、後藤健二さんの殺害画像を生徒に見せたことが、大きな問題となっている。

 

イスラム国により2人の遺体を写した静止画像が、ツイッターに投稿された。その画像にモザイクなどの処理をせずに生徒に見せ教員に非難が集まっている。

 

学校側は教師にあるまじき行為として、謝罪した。

 

何故動画ではなく静止画像なのか?

前置きが長くなってしまったが、いよいよ本題。 

 

先に殺害場面の動画が公開された米英人捕虜に続き、ヨルダン人パイロットの殺害の様子もまた、動画という形でツイッターに投稿されている。

 

専門家の中には、動画に比べ、静止画像の方が様々な想像を掻き立てられるから、という意見を述べている人がいた。確かにそれも一理あるだろう。

 

或いは時間がなかった為、取り急ぎ写真をアップしたとの意見もあったが、これはどうにも腑に落ちない。あれだけデジタル技術を巧みに操る集団が、短期間とは言え簡単な動画一本作れないとは考え辛い。

 

私の考えはこうだ。

 

いささか深読みかも知れないが、彼らが非常に緻密な計画の上に行動している心理戦のプロ集団だとすれば、こんな見方は出来ないだろうか?

 

日本のメディアにおける遺体の画像

日本の TVや新聞等の報道機関は、昭和23年に起きた帝銀事件をきっかけに、直接的に遺体の写真や映像を掲載・放送することを、自粛する方向に進んだ。

 

帝銀事件

(事件当時の帝銀椎名町支店)

 

凄惨な遺体の写真や映像ならば尚更だ。

 

また、自主規制が設けられなかった週刊誌などでは、その後も遺体の写真が掲載されているものも存在したが、PTSDなどの精神病が声高に叫ばれるようになった2000年以降には、急速に衰退していったというような記事を読んだことがある。

 

何れにせよ、遺体の動画や静止画像を、そのまま掲載することの多い諸外国に比べて、現代の日本人は遺体というものに、免疫が少ない国民と言えるだろう。

 

そうした中で大々的に殺害場面の動画をアップすることは、必要以上に日本人の感情を刺激し、大きな混乱を招くことに繋がりかねない。

 

しかしながら、一方である程度のインパクトは残しつつ、殺害が事実であることも伝える必要がある。そうしたことを踏まえた結果が、動画ではなく、静止画像の公開だったのではないのだろうか?

 

日本がこれ以上、反イスラム国勢力に加担する事態は避けたい。更には日本に対して攻撃を加えることで、例えイスラムと長年友好的な関係を保ってきた国ですら、邪魔するものは容赦しないという、強固な姿勢をアピールできる。

 

しかしながら一方で、度を超えたストレスを与えてしまっては、逆に打倒イスラム国への行動に走らせてしまいかねない。また長年の友好国である日本には、まだ多少の情もある。

 

静止画像の公開には、そんなイスラム国の心情が透けて見えるように思えるのだが、如何だろうか?

 

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