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【完全解説】ムスリム(イスラム教徒)が豚肉を食べない本当の理由!

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イスラムといえば「豚を食べない」というイメージが非常に強い。

確かにイスラム教では豚肉を食することは固く禁じられており、イスラム教の聖典クルアーンには随所に豚肉禁止についての記述が見られる。

では何故イスラム教では豚肉を食べることが禁止されているのか、徹底解析!

 

【完全解説】ムスリム(イスラム教徒)が豚肉を食べない本当の理由!

(Photo by timypenburg)

 

「食することが禁止されているものは、死肉、血、豚肉、アッラー以外(の邪神)の名で供えられたもの」(2章173節)

 

「汝が食べてはならぬものは、死獣の肉、流れ出る血、豚肉、さらにはアッラー以外の神の名を唱え殺されたもの、絞殺されたもの、打ち殺されたもの、堕死したもの・・・(クルアーン5章3節)

 

「食べたいものは何でも食べることが出来る。ただし死獣の肉、流れ出る血、豚肉-それは不浄である-、アッラー以外の名が唱えられたものはこの限りではない」(クルアーン6章145節)

 

豚肉"

(Photo by StuartWebster)

 

何故イスラムはここまで頑なに豚を拒絶するのだろうか?

 

衛生面

  • 様々な病原菌を保有しており、感染症(伝染病)の原因となる

 

誰もが真っ先に思い浮かべるのが衛生面での不安だろう。

 

豚は様々な感染症(伝染病)を媒介することで知られているが、昔は生食や十分に加熱調理することなく食される例も多く、旋毛虫の引き起こす旋毛虫症や、トキソプラズマによるトキソプラズマ症などの感染症に苦しめられることが多かった。

 

ただでさえ厳しい暑さの続く中東では、食に対する危険性は高く、人々の不安は大きい。

 

その為、感染症(伝染病)予防には神経を尖らせていたことは想像に難くなく、豚肉同様死獣や血などを頑なに禁止する理由も、こうした感染症(伝染病)を予防する為と考えられる。

 

不浄・不潔な大食漢

  • あらゆるものを貪り食う大食漢で、不浄・不潔なイメージが定着

 

意外にも豚は非常に清潔好きで賢い動物だ。

 

しかし、その一方で飼い方を間違えると、自らの糞尿などを含め、ありとあらゆるものを貪り食う「いやしい大食漢」になり下がる。

 

これは飼育する側に大きな原因があるのだが、いずれにせよそうした姿は、豚を食する側に、感染症など何らかの病気をもたらす可能性ばかりか、その血肉を取り込むことで「不浄な人間になる」といった精神面での悪影響を連想させた。

 

労働力としての価値も無く「食っちゃ寝」を繰り返す姿に、お世辞にもスマートとは言えない見た目も加わって、非常に不浄・不潔で怠惰な生き物に映ったのだろう。

 

豚を食べると豚になってしまう・・・

 

こうしたいやしい習性や醜い見た目、不浄・不潔な豚の生活スタイルそのものが、ムハンマドから禁忌の烙印を押される直接的な原因になったとみる学者は非常に多い。

 

家畜としての価値

  • 他の家畜程、バラエティに富んだ恩恵をもたらさない

 

家畜はその肉以外にも、様々な恩恵を飼い主に与える。

 

羊は肉の他に毛皮を提供し、鶏は卵を産む。馬やラクダは乗り物としての価値が高いし、牛やヤギはミルクや肉をもたらすだけでなく、労働力としても貴重な存在だ。

 

この様に家畜は実に様々な副産物を飼い主に提供してくれる存在だ。

 

しかし、豚は卵も産まなければ、毛皮も取れない。労働力としても使い物にならず、他の家畜に対して、総合的な価値は著しく低いと判断された可能性は否定出来ない。

 

羊

 

怠惰な快楽主義の旗印

  • 強い繁殖力が禁欲的なイスラムの教義に反する

 

豚は非常に繁殖力が高く、一年中交尾と出産を繰り返す。

 

一方で労働力としては全く役に立たない怠け者で、「食っちゃ寝」を繰り返す怠惰な快楽主義者。

 

どちらかと言うと厳しい神の管理下で、ストイックな生活を信条とする禁欲主義のイスラム教徒にとって、豚は極めて堕落した、悪魔の一面を持つ生き物と映ったことだろう。

 

古代エジプトの影響

  • 豚の飼育者は卑しき身分の「賎民(せんみん)」

 

豚はイノシシを家畜化した動物だが、その歴史は8,000年以上と非常に古い。

 

古代エジプトでも豚は家畜として飼育され、食用にされていたが、その生態からか、飼育者は一般市民より身分の低い賎民の役目とされてきた。

 

啓示宗教/アブラハムの宗教(ユダヤ教キリスト教イスラム教)は、古代エジプトの影響を強烈に受けており、こうした古代エジプトの宗教観が豚をタブーとする考え方に影響を与えた可能性は極めて高い。

 

ちなみにユダヤ教では旧約聖書レビ記において、「(四足の獣の中で)反芻しない動物」という理由から、豚は不浄な動物(食することはタブー)とされている。(馬・ロバ・ウサギなども同様の理由からタブー)

 

反芻(はんすう、rumination)は、ある種の哺乳類が行う食物の摂取方法。まず食物(通常は植物)を口で咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返すことで食物を消化する。

 

セト神の頭部はツチブタ

オシリスの弟である古代エジプトのセト神(左)の頭部はツチブタ。

(写真は「エジプト神名リスト」より)

エジプト神名リスト:セト

 

定住型の家畜

  • 農耕民族向けの家畜としての適性が地位の低下を招く

 

豚は典型的な定住型の家畜だ。

 

よって農耕民族の様な定住型の民族に適した家畜であり、反対に狩猟民族の様な移動型の民族には向かない。

 

イスラムが誕生した頃のアラブ民族は、典型的な遊牧民であったが、モンゴルの遊牧民などを見ても移動型の狩猟民族は、当然ならが牛・馬・羊など遊牧型の動物を家畜とする。

 

自らの生活スタイルに豚の飼育環境が適さない事に加え、農耕民族より自分達狩猟民族の方が優れているとする考え方が、農耕民族の家畜である豚の軽視にも繋がり、禁忌とされるに至ったとされる。

 

食料の確保

  • 人間と重なる食料が、生存競争におけるライバルと見なされる

 

肉、穀類、野菜、昆虫・・・

 

豚は人間が食べる物なら、おおよそ何でも食べる。

 

現在のように豊富な食料が生み出せなかった時代において、人間とほぼ同じものを食べる豚は生存競争におけるライバル的存在でもあった。

 

ただでさえ乾燥した土地柄、牛や馬の食べる牧草は育っても、人間の食料となる穀物は育ちにくい環境。

 

共同体としての精神の強かったイスラム教徒にとって、貧困者をはじめとする共同体の人間を守る為に、豚の飼育を禁止したことが考えられる。

  

水の大量消費

  • 豚による大量の飲水量から、貴重な水資源の枯渇を危惧

 

牛ほどではないにしろ、豚は飼育するのに非常に多くの水を消費する家畜だ。

 

豚は免疫力、抵抗力、環境適応力がどれも非常に高く、飼育も容易だ。

 

加えて、繁殖力も非常に高い為、一度飼育を始めれば、養豚場は短期間で水の一大消費スポットに早変わりする可能性が高い。

 

砂漠の民にとって水は何よりも貴重な存在であることは言うまでもないが、現在のような十分な固体管理体制も確立されていない状況下で、大量飼育による貴重な水の枯渇を恐れたムハンマドが、早々に豚の飼育を禁止させようとした可能性は極めて高い。

 

殆ど語られることのない理由だが、私は水に関するこの理由が、豚肉の禁忌に極めて重要な影響を与えたと考えている。

 

アラビア砂漠

 

まとめ

上記のような様々な理由が複雑に絡まり、豚は食することがタブーとされるに至ったと考えられる。

 

こうした事情を踏まえ、いち早く神からの啓示という形で豚の食用を禁止させるあたりは、「ムハンマドもなかなかの政治家だ」と言いたくなってしまう(イスラム教徒に怒られるだろうが・・・)。

 

 

ちなみに万が一食べてしまっても、不可抗力なら問題にはならない。

 

クルアーンには「止む終えず、また意図せずこの法を犯した者には、神の慈悲が注がれる」との記述が見られる。

 

近年イスラム教国家以外では、クッキーや揚げ物にも豚の脂が使われるなど、個人レベルで豚を完全にシャットアウトすることは不可能に近い。

 

こうした事情を受けて、イスラム教の教義に則った食べ物であることを審議し、認定する「ハラール(ハラル)」の認定機関も増えている。

 

こうしたハラール(ハラル)認定機関の審査を通過した食品は「ハラルフード」と呼ばれ、イスラム教の拡大とともに、多くのハラルフードが世の中に出回っている。

 

食べ物に関する禁忌が無い日本人にとっては、なかなか理解出来ないことだが、食べ物のタブーを抱える宗教は世界中に存在し、多くの人間が日々の食に対して神経を尖らせている。

 

※「ハラール(ハラル)」とはアラビア語で「合法の/許された」の意だが、ハラール(ハラル)フード認定機関には世界的な統一基準がない為、国や機関によって審査内容に差があるという問題もある。

 

 

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