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ドイツ・韓国と比べた日米地位協定と基地費用負担の問題点と改定点-在日米軍に苦しめられる沖縄県民

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日本ほど不平等な地位協定を結んでいる国は、世界中どこを探しても存在しないという現実を各国の地位協定と比較しながら考える。

世界の警察として世界中に軍隊を駐留させているアメリカ軍。

当然軍隊や基地の扱いをめぐって、駐留国との間に取り決めがなされる。

これが地位協定と呼ばれるものだが、日本の地位協定は、とても主権国家のそれとは到底思えない代物だ。

 

ドイツ・韓国と比べた日米地位協定と基地費用負担の問題点と改定-在日米軍に苦しめられる沖縄県民

 

各国の地位協定の基本

地位協定はドイツやイタリアなどの第二次世界大戦の敗戦国をはじめ、韓国、イラクなどアメリカ軍が駐留する国々とも締結されているが、各国によりその内容は異なる。

 

日本と代表的な3つの国について内容を見てみよう。

 

日本

基地の管理権はアメリカにある。よって在日アメリカ大使館と同じ扱いとなり、日本政府並びに日本の国内法に管理、規制されることはない。

 

演習を含めた軍事行動は低空飛行、夜間飛行などアメリカ軍のやりたい放題。

 

自らの土地に建てられた軍事施設への立ち入りすらままならない時代錯誤な地位協定なため、植民地時代の地位協定と各国から揶揄されている。

 

日本政府が基地を監視することができず、もし後々環境破壊が見つかったとしても、アメリカには費用面を含めて一切責任が無い。
 

イタリア

イタリアの地位協定で最大の特徴は、主権がイタリア側にあることだ。

 
アメリカ軍も含め全ての軍事基地とそこに所属する軍隊は、イタリア政府とその軍司令部の管理下にあり、演習を含めた軍事行動はイタリア政府並びにイタリアの国内法によって管理、規制される。
 
また、アメリカ軍の使用地について、土壌汚染など環境保全に不備が見つかった場合はアメリカが費用を負担して現状復帰を行う。
 
実際に日伊共にアメリカ軍施設や施設跡から甚大な土壌汚染が見つかり、アメリカ軍の責任で現状回復させたイタリアとは反対に、日本はこうした責任をアメリカに負わせることができず、莫大な費用負担を強いられるケースが起きている。
 

アメリカ海兵隊F/A-18 ホーネット

アメリカ海兵隊F/A-18 ホーネット
(Photo by U.S. Air Force Photo by Airman 1st Class Brett Clashman/RELEASED)

 

ドイツ

ドイツもまた、演習を含む軍事行動には厳しい監視の目を持っており、イタリア同様アメリカ軍の軍事演習はドイツの国内法によって管理、規制される。
 
また、治安維持目的など、必要とあらば基地内での警察権行使がドイツ側に認められている点も大きい。
 
さらにアメリカ軍に対して航空機の墜落事故や走行車両による交通事故に備えて、保険の加入が義務付けかれている。
 
もちろん環境保全についてもイタリア同様アメリカ側に現状復帰の義務がある。
 

韓国

環境保全に関して、韓国側の監視権があり、浄化義務はアメリカが負う。
 

地位協定における裁判権

沖縄県で20歳の女性が殺害され、アメリカ軍属の男が逮捕され、1995年の沖縄米兵少女暴行事件以来、地位協定の改定への機運が高まっている。

 

しかし意外なことだが、裁判権に関して言えば日米地位協定は最も日本側に優位に作られている。

 

各国の地位協定は概ね犯罪が行われた時点が公務中か公務外に分けられ、公務中の場合はアメリカに身柄の拘束の権利が、公務外の場合は現地当局に身柄拘束の権利がる。

 

アメリカ海兵隊岩国基地

(アメリカ海兵隊岩国基地

 

日米地位協定

公務中に犯罪を犯した容疑者の身柄は米国が拘束。日本の検察が起訴した時点で身柄を日本側に引き渡す為、十分な取り調べができず起訴できない、アメリカ側の隠蔽工作にあるなどの問題点があった。

 

また、当時は一次裁判権はアメリカにあり、ある程度判決の方向性が決められてしまうなどの問題もあった。

 

1995年の事件を受けて、殺人・強姦などの重大事件の容疑者について、日本側は起訴前に引渡し要求を行うことができ、アメリカ側は好意的に考慮することが決定された。

 

さらに2004年にはいかなる犯罪者も引渡し要求が出来るように改定された。

 

ボン補足協定(ドイツ)

短ければ起訴まで、長ければ判決の執行時まで米軍が拘禁

 

米韓地位協定

「殺人・強姦・誘拐」など12種の凶悪犯罪のみ起訴後に身柄を引渡す。その他の犯罪は判決の執行時まで米国が拘禁

 

駐留米軍の費用負担

トランプ氏が全額負担を求めている日韓の駐留アメリカ軍の費用だが、現在の規模と各国の思いやり予算負担額は下記のとおり。

 

(日韓は2012年、ドイツは2013年の統計。レートは2016年現在のものを使用)

 

日本 38億1700万ドル(約4094億円)36,700人
韓国 7億8200万ドル(約839億円)28,500人
ドイツ5億2500万ドル(約563億円)50,500人
 
日本は七割程度の負担、韓国が半分程度、ドイツはそれ以下となっている。韓国では間接的な支援も含めると七割近くを負担しているとの統計もあるが、何れにせよ飛び抜けて巨額の支援をしているのは日本であることに変わりはない。
 
にもかかわらず、最も不平等な地位協定を結ばされており、あろうことか政府が本腰を入れて改訂しようとしたことすらないとは、一体どこまで弱腰なんだと、沖縄県民ならずとも声を荒げたくなる。
 

(アメリカ海兵隊のCH-53E スーパースタリオン )

(アメリカ海兵隊のCH-53E スーパースタリオン )
 

地位協定の問題と改定について

上記のように日本は金銭面では飛びぬけた支援をしているにも関わらず、地位協定の基本的な部分では大きく出遅れている。
 
米国兵による凶悪犯罪が多発していることから、裁判権の見直しを唱える声は大きい。
 
しかし、現状の多くの国際法では派遣された兵士の犯罪は、自国の法律で裁くのが一般的だ。
 
その為、地位協定自衛隊の海外での活動にも関わってくる。全ての犯罪を現地法で裁くということは、海外で事件や事故を起こした自衛隊員も現地法で裁かれる可能性が高くなる。
 
安倍政権が積極的に海外への自衛隊派遣を進めていることもあり、このあたりは少し慎重にならざるを得ない。
 
海外に派遣される自衛隊と比べて、米兵による凶悪犯罪が頻繁に繰り返されており、国民感情の反発を踏まえて、日米地位協定には特例が必要との認識を持たせるなど、高度な外交交渉が必要となる。
 
それ以外は基本的な部分について言えば、植民地時代の協定と言われても仕方がないほど不平等な内容だ。
 
日本政府にはドイツやイタリアを参考にしならが、そろそろ本腰を入れて地位協定の改定に挑んでもらいたい。
 

過酷な環境下での任務が求められる海兵隊員

過酷な環境下での任務が求められる海兵隊
(Photo by Cpl. Dwight Henderson)

 

今こそ地位協定の改定を

今回アメリカは事件の解決を急いで、日本に全面協力を約束した。
 
まさに最悪のタイミングだった。
 
まもなくオバマ大統領が広島を訪問する。
 
ただでさえ基地移転問題や度重なる米兵の凶悪犯罪、トランプ氏の挑発、北朝鮮の暴走による自衛隊強化案などにより沖縄をはじめ、日本中が在日米軍に対してこの上なくナーバスになっている。 
 
よりによってこの時期に!
 
米国関係者の怒りは頂点に達していることだろう。だからこそ何よりも解決を急いでいる。
 
ここに日本の勝機はある。国民感情が国を動かし、不平等な地位協定を改定させるにはこのタイミングをおいて他にはない。
 
被害者の無念を晴らすためにも、決して彼女の死を無駄にしてはいけない。
 
「あなたがたは客であり、我々の主人ではない!」
 
不平等な地位協定に苦しめられてきたドイツが大規模な改定を勝ち取る過程で、既得権をなかなか離そうとしないアメリカに言い放った言葉だ。
 
日本の政治家にも是非見習って欲しいものだ。
 
 
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