サハラの風

世の中の事件や出来事にひっそり・こっそり・ちゃっかり物申す!(フリをする)

国立西洋美術館の世界遺産登録にクビをかしげてスイマセン。。。

【スポンサーリンク】

国立西洋美術館はなぜ世界遺産に登録されたのか?

 

東京上野にある西洋美術館が7カ国にまたがる17の「ル・コルビュジエの建築作品」(フランス、スイス、ドイツ、ベルギー、インド、アルゼンチン、日本)のひとつとして世界遺産に登録された。

 

 国立西洋美術館の世界遺産登録にクビをかしげてスイマセン。。。

 

美術館が好きで、ちょくちょく訪れる場所だ。先月もカラバッジョ展で訪れており、外観はよく知っているが、正直このニュースを見た時、真っ先に頭に浮かんだのは「なぜ?」だった。

 

美術館だけにそこそこお洒落な建物だが、だからと正直言って飛び抜けておしゃれかと言われれば言葉に詰まる。

 

かと言ってガウディの様な飛び抜けた奇抜さがある訳でも、法隆寺の様な長い歴史がある訳でも、自由の女神の様に抜群の知名度を誇る訳でも、エッフェル塔の様に圧倒的なスケールを誇る訳でも、原爆ドームの様に唯一無二の強烈なインパクトを持つ建物でもない。

 

もちろん20世紀のフランスを代表する建築家、ル・コンビジュエが設計した価値ある建物だし、増えていくであろう展示品数を見込んで容易に増築が可能な、渦巻き型の「無限発展美術館」であるなど、素晴らしい点が数多く存在するのは認める。

 

また、東京理科大学の山名善之教授を中心とした登録数新チームが、ユネスコから「登録に値しない」との評価を受けてから、足掛け15年かけて登録までこぎつけた功績が今回の決定を掴み取った最大の要因だったこともわかる。

 

だかそれでもだ。

 

ロダンの考える人

(西洋美術館の庭にある【考える人】)

 

「めっちゃくちゃ嬉しいけど、なんか不思議・・・」

 

恐らくこの感情は多くの日本人を代表するものではなかろうか。

 

案の定ネットには喜びの声に混じって、多くの誹謗中傷が並ぶ。

 

  • 日本がユネスコに大金を出資しているからだ。
  • 政治的な圧力だ。
  • それならまだ東京駅や国会議事堂が先だろ。
  • 白人の建築家の作品だからだ。

 

しかしそんな悶々とした思いを払拭してくれたのは、ある識者の言葉だった。

 

日本人は戦後に建てられた建物にあまり価値を感じない。それゆえ実は歴史的に見て非常に価値のある建物が次々に取り壊され、専門家を悲しませている。

 

 まさにこれだ!

 

私自身文化遺産について言えば、まずは古墳や寺社仏閣、城などの日本古来の伝統的、歴史的建造物に重きを置く。

 

西洋建築でいえば、そこからだいぶ下がって、もし現存していれば鹿鳴館などに代表される明治時代の洋館辺りか。。。

 

これが率直な感想だ。

 

落慶当時の鹿鳴館

落慶当時の鹿鳴館

 

戦後の建築物に対する価値観はほぼ皆無で、その証拠に世界遺産登録前に、西洋博物館の建て替え計画が持ち上がれば、

 

「ここはひとつ超モダンなヤツでヨロシク!」と諸手を挙げて賛成してしまっていただろう。

 

しかし西洋美術館の世界遺産登録は、そうした日本人の固定概念の在り方に大きな一石を投じることに なったのではないだろうか?

 

国会議事堂や東京駅に比べても洋博物館の独自性、特異性がいかに素晴らしいいかがわかる。

 

完成当時の東京駅

(完成当時の東京駅)

 

日本政府とユネスコとの関係をめぐる金銭問題や、政治的圧力に関しては正直一介の庶民である私には分からないが、無関係ではないだろう。

 

白人建築家だからだという意見についても、現在の世界の中心たる西洋社会が生んだ偉大な建築家だというのも無関係ではないだろう。

 

しかし、それでも世界遺産に登録されるとなれば、莫大な価値を有していることに違いはない。

 

作られた時代で直ちに価値の有る無しを判断してはいけない。

 

自国の誇る文化遺産を前向きに評価しなければならない。

 

「自分たちを大切にね!」

 

世界遺産を管理するユネスコからのメッセージに思えてならない。

 

これを機に戦後の建物も含めて、自国の文化遺産を肯定的に評価し、後世に遺すための最大限の努力をしていかなければならないのではないか。