【過去と比べてなぜ高い?】東京五輪新国立競技場建設費が高い5つの理由

高騰する東京オリンピックのメインスタジアム

新国立競技場の予算上限が1,550億円と決まった。

当初の2,520億円と比べて約1,000億円の削減だ。

いや~やれば出来るじゃないか。組織委員会の諸君!

ってなるかー!!!

当たり前だ。

様々なサイトで取り上げられているので、ご存知の方も多いだろうが、近年のオリンピックスタジアムは皆500億円前後で作られている。

シドニー(オーストラリア)572億円
アテネ(ギリシャ)360億円
北京(中国)525億円
ロンドン(イギリス)583億円
リオ(ブラジル)440億円

酷暑の真夏開催にも関わらず、空調設備(100億円)まで削ってこの金額である。

では何故日本の新国立競技場は他のスタジアムに比べて、3倍~5倍も高いのだろうか?

【過去と比べてなぜ高い?】東京五輪新国立競技場建設費が高い5つの理由
(修正を繰り返す前のザハ氏の東京五輪メイン会場デザイン原案)

地盤工事

最初に考えられるのが地盤工事に莫大な費用がかかる点だ。

現在の国立競技場一帯は以前河川だった為、地盤が極めて軟弱だ。その為、巨大な競技場建設にあたって、無数の巨大な杭が地中に埋め込まれた。

新国立競技場の建設では、この杭はを全て引き抜き、その後ゆるい地盤は全て取り除かれることが決まった。

100本程度と言われる巨大な杭は、引き抜いて処理するのに1本1億円程度かかるらしい!

杭1本1億円×100本=100億円!

こんなに単純で恐ろしい計算式は、そうそうお目にかかれるものではない。。。

更にゆるい地盤の土を全て取り除くのかかる費用は、およそ180億円と試算されている。

地盤工事だけで合計280億円。

果たしてそうまでして新しい国立競技場の建設が必要だったのか、と思わずにはいられない。

取り壊してしまった現時点では何を言っても後の祭りだが、だからこそもう少し慎重に協議を重ねるべきだった。

地下施設

軟弱な地盤を取り除くことについては先述の通りだが、競技場は地上に建設される。

よって地上の競技場の下に、取り除いた土の分だけ巨大な地下スペースが生まれる。

これがまた厄介な存在らしい。

というのも、折角出来た巨大なスペースを無駄にしてはならないと、様々な施設の建設が予定されている。 

地下とはいえそこは都心の一等地だ。  

金を積んだからと言って、おいそれと手に入る代物でもない。

駐車場などと共に、様々な組織や団体が関連施設を作ろうと躍起になっているらしい。

こうした設備建設に相当なコストがかかる見込みらしい。

遺産にしろ、新国立競技場の空きスペースにしろ、有れば有ったで、新たな問題を生む可能性をはらんでいるという訳だ。

耐震構造

【過去と比べてなぜ高い?】東京五輪新国立競技場建設費が高い5つの理由

世界トップレベルの地震大国日本。

近年では東日本大震災が東北を襲い、首都直下型地震はいつ起こっても不思議ではないとされる。

世界中から人が大勢の集まるオリンピックにおいて、8万人からの人が詰めかけるメインスタジアムに対する万全の耐震対策には、莫大な費用がかかることは想像に難くない。

建設業者

日本の建設業界は非常に閉鎖的だと言われる。

巨大な公共事業を請け負うスーパーゼネコンと言われる大手建設業者は鹿島、清水、大成、大林組、竹中工務店の5つ。

この半独占的な業界構造が価格の高騰を招くと言われるが、案の定白紙撤回される前の新国立競技場も、屋根が竹中工務店(950億円)、スタンドは大成建設(1,570億円)が請け負う予定だった。

言うまでもなく、異常に高い。

しかもデザインの段階では、デザイナーと施工業者のやり取りは一切ない。

コスト無視で選んだデザインを、いくらでも良いから作ってくれと、施工業者に渡せば、工費が急増するのは火を見るよりも明らかだ。

何か裏があるのではないかと、勘ぐらずにはいられない。

政治と金

【過去と比べてなぜ高い?】東京五輪新国立競技場建設費が高い5つの理由

先述したことにも繋がるのだが、建設業界と政治家の癒着に言及する人もいる。

政治とカネの流れに詳しい関係者は、『公共事業において、ハコ(建物)の建設費の5%が取り仕切った政治家に渡るのは、この世界の常識』とまで言い切る。

彼曰く、森元総理が莫大な工費を費やしてまで、年間10日程度しか使わないクラシック音楽コンサートの為の屋根を設置しようとしたのも、この為らしい。

詳しいことは分からないが、古今東西、洋の東西を問わず政治と金の結びつきは、根深いモノがあるというのが、一般市民の共通認識だろう。

最後に

先日ザハ・ハディド氏が日建設計チームと組んで、スタジアム設計建設の再公募に応募する意向であることが判明した。

ザハ氏は以下のように語っている。

「我々が2年間積み上げた仕事とその知識は、日本政府が投資してきたものです。

それを活かして、ザハ・ハディド事務所と日建設計なら、包括的かつ予算内で設計できるのです」 

ザハ氏は建設費が高騰した理由が、巷で言われる奇抜なデザインではなく、あくまで施工業者をあらかじめ決めてしまったことにあると訴え続けている。

その為日建設計と組むことで、高すぎるとして撤回された原案通りでも、十分予算内で設計が可能と主張している。

ここはひとつ国民がびっくりする価格を提示して、ゼネコン業界の悪しき風習に風穴を開けてもらいたい。

ザハ氏の動向はオリンピックスタジアム建設問題に留まらず、日本の建設業界の内情をあぶり出す千載一遇の好機なのかも知れない。

もし市民の多くが考えるように、建設業界が金にまみれた世界ならば、シロアリ(大手ゼネコン)に日本の屋台骨(血税)が食いつくされる前に、全ての膿を出し切ってもらいたいものだ。

それが実現出来るなら、既にザハ氏に払ってしまった13億ともいわれるデザイン費でさえ、決して高くはない。

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