【沖縄の苦悩と日米地位協定】殺人・強姦・強盗・傷害…なぜ在日米軍基地の米兵は凶悪犯罪を繰り返すのか?

  • 2016年5月23日
  • 2020年9月8日
  • 政治

日米地位協定と海兵隊

日本に駐留する在日米軍基地などの米軍施設の74%が集中する沖縄を中心に、全国に駐留する米軍兵士により引き起こされる殺人・強姦・強盗・傷害などの凶悪犯罪。

身内を殺害された遺族の「また米軍兵士か…」と吐き捨てるようにメディアに語った姿が印象的だったが、なぜ米兵は馬鹿の一つ覚えのように、こうした凶悪事件を繰り返すのか?

考えられる原因を羅列していく。

戦争の生み出す狂気

戦後70年以上が経過し、日本人は戦争を知らない国家になりつつある。世界トップクラスの治安の良さから、「平和ボケした日本人」などと揶揄されることも多い今日この頃だが、戦争の恐ろしさなど、体験したものにしかわからない。

第一次世界大戦に参加したイギリス人の若者の記録がある。彼は戦争に参加すにあたってこんな言葉を残している。

『スリリングなピクニック気分だった』

実際に戦争に参加した彼の考えがどう変わったは、わざわざ書くまでもないだろうが、人が人を最悪に無残な形で殺し、殺される・・・それはどんな言葉でも写真でも、映像でも、他人に正確に伝えられるものではない。

いつ殺されるかわからない恐怖、高ぶる高揚感、自分が殺した相手の兵士、目の前で殺された仲間の兵士・・・

人間の精神は常に異常な状態へと置かれ、簡単に凶悪犯罪へと走らせる。

主に自国の防衛だけに専念している自衛隊とはわけが違う。日本に駐留している米兵も多くが戦闘を経験し、あるいは常に出動命令のある緊急体制下に置かれていることを忘れてはならない。

(ドイツ軍による悲惨なゲルニカ空爆を描いたピカソの【ゲルニカ】)
(ドイツ軍による悲惨なゲルニカ空爆を描いたピカソの【ゲルニカ】)

帰還兵におけるPTSDとTBI

こうした状態が続けば、もろい人間の精神など簡単に壊れる。

イラクとアフガニスタンで死亡した米軍の死者は、医者などの非戦闘員を含めて6,880人。一方で多くの帰還兵がPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などの精神疾患をと戦っている。

『全米イラク・アフガニスタン帰還兵』(IAVA)が2014年度末に発表したことろによると、退役軍人の自殺は直近の2ヶ月間の平均で1日22人。現役の軍人も年間250人~350人が自ら命を絶っている。

例えばイラク戦争に参加した兵士は150万人~200万人前後だが、30万人がPTSDやうつ、32万人がTBI(頭部外傷後遺症)を患っており、日々自殺・薬物・アルコール・DVなどと闘っている。

つまり軍隊に所属した以上、PTSDやTBIなど明確な症状が出るか出ないかに関わらず、心身的に相当数のダメージを受けることは間違いなく、精神状態が安定しているとは到底言えるものではない。

直接衝撃を与えられた場合はもちろんだが、訓練も含め銃火器取り扱い時の衝撃や近くで爆弾が炸裂したなどの場合でも発症する可能性がある。大量破壊兵器が多数投入される現代戦争においては、大きな問題となっている。

主な症状はめまい・吐き気・動悸・不眠・全身倦怠・不整脈・発汗・精神衰弱など…
(イラク戦争で撃墜されたアメリカ軍のUH-60 ブラックホーク)
(イラク戦争で撃墜されたアメリカ軍のUH-60 ブラックホーク)

戦場の正義はより多く殺すこと

『人ひとり殺せば殺人、100万人殺せば英雄』という言葉がある。

自らも湾岸戦争からの帰還兵で、自殺する帰還兵を救う退役軍人省を取材したアンソニー・スウォフォードは医師との会話を通じて、こう結論付けている。

未熟な青年たちに人の殺し方を教えて何度か戦場に送り込めば、帰還するときには別人になっていてもおかしくない。

彼らは武器や暴力を使って問題を解決することが、100%許されると思うようになっている。

中東に巣食うテロリストから人々を解放する、地球のヒーロー、人類の希望、世界の警察、偉大なアメリカ!強いアメリカ!正義のアメリカ!世界唯一の超大国アメリカ!

綺麗事を言っても仕方がない。これがアメリカの教育だ。

ただでさえ戦争とは、自分たち以外には『何をやってもの良い!』が通用する。そこにこのような教育が加わった結果として、事実敵兵の遺体に複数の米兵が笑顔で小便をかける写真など、吐き気がする光景を幾度となく見せつけられてきた。

第二次世界大戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争・・・

絶え間無い戦争が多くの狂人を産み出している。

敵地に赴けば瞬時に銃のトリガーを引くことが求められる軍人。

とっさの判断においては、狂気に任せて即座に人を襲うこと。それが軍人だ。

在日米軍基地の役割

日本人はあまり在日米軍につていその実態を知らない。

在日米軍基地はアメリカ太平洋軍に属する。中国・ロシア(補佐・主担当はアメリカ欧州軍)・インド・北朝鮮など、とてつもなく危険で強大な軍事力を持つ国家を始めとする太平洋地域を管轄する部隊の前線基地として重要な役割を持っている。

地理的にも非常に便利な位置にあるため、戦闘が始まれば真っ先に初動対応に動員されることが多い。まさに切込隊長だ。

現にイラク戦争でも戦闘前から偵察や散発的な空爆にも参加し、戦争開始後は1万人がイラク戦争に動員されている。ちなみにファルージャの虐殺として名高いファルージャの戦闘に三千人の沖縄海兵隊が動員されている。

4月と8月の先戦闘で63人の米兵が死亡している。

その後も戦闘や占領統治のために多くの在日米軍がイラクに派遣されているが、在日米軍はいつ何時切込隊長として戦争に参加されられるかわかならない状況下にある。そして実際に数々の戦闘に参加し、多くの人間を殺し、多くの仲間を失っている。

アメリカ軍とイラク武装勢力との戦闘(2004)

空爆を中心とするアメリカ軍の無差別攻撃により600人とも1,000以上とも言われる死者を出した(死者のうち25%は女性・25%は子供)。その他市内の70のモスクのうち39が破壊されるなど、建物にも甚大被害を受けた。

(足を負傷した子供の犠牲者-イラク戦争 Photo by Army.mil)
(足を負傷した子供の犠牲者-イラク戦争 Photo by Army.mil)

海兵隊

日本に駐留する部隊の主力は海兵隊だ。

海兵隊

海外での武力行使を前提とし、アメリカ合衆国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する。

また、必要に応じて水陸両用作戦(上陸戦)を始めとする軍事作戦を遂行することを目的とする。

本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから「殴り込み部隊」とも渾名(あだな)される。

初動対応に動員される可能性の高い「切込隊長」であることは前述のとおりだが、こうした事情から海兵隊は血気盛んな荒くれ集団としての側面が強い。

本国アメリカを除けは、欧州はもちろん日本(沖縄)以外に海兵隊が駐留することは無く、シンザト容疑者を含め過去の凶悪事件の多くは海兵隊絡み。

余談だが太平洋戦争において、ガダルカナル島・サイパン島・ペリリュー・マリアナ諸島・硫黄島・沖縄の各戦闘で、日本軍と激戦を繰り広げ、多くの犠牲のもとに勝利を導いた立役者は海兵隊だ。

そうした遺恨や優越感などが、現在の海兵隊に若干でも受け継がれているのかも知れない。

基地に配置される人選

アメリカ軍司令部も馬鹿ではない。兵士が問題を起こすのは古今東西・洋の東西を問わず避けられない。

もし凶悪事件が起こったとすれば最も騒ぎが大きくなるのはどこの地域か?

もちろん世界一人権問題に熱心なヨーロッパ諸国だ。仮に沖縄米少女暴行事件の様な12歳の少女が強姦被害に遭う事件でも発生しようものなら、その反発は日本の比ではない。

そこでヨーロッパに派遣される米兵は、身元もしっかりした教養の高い白人が中心となると言われている。

次に日本に派遣されるのは市民権欲しさの中南米・黒人の移民が多くなり、そこにあまり素行の良いとは言えない白人なども混じる。

ちなみに今月(2016年5月)島袋里奈さんを殺害したのも、1995年に少女を暴行した3人の海軍軍人も全て黒人だ。

アジアといえども日本という国際的な地位を鑑みて、その中でも比較的優秀な人才を派遣するとされているが、それでも凶悪事件の発生率はヨーロッパの比ではない。

※決して人種差別を助長するものではない。ひとつの事実として冷静に受け止めてもらいたい。

(イラク戦争に派遣されたアフリカ系アメリカ人 Photo by Army.mil)
(イラク戦争に派遣されたアフリカ系アメリカ人 Photo by Army.mil)

欧米至上主義

ドイツやイタリアにも駐留米軍基地が存在するが、日本ほど醜い凶悪事件は頻発していないという。

認めたくはないがやはりここには大きな人種差別の壁がある。

体も小さく、おとなしい日本人。白人なら言うことないが、例え有色人種であっても『アメリカ人』という響きにめっぽう弱い。

ただでさえ自国が最高と褒め称え、他の国を下に見る傾向が強いアメリカ人からすれば、こうした考えを持つ日本人なら、多少どうこうしたって構わない。

残念ながらこうした考えが生まれるのは自然なことだと、専門家も認めているろころだ。

駐留アメリカ軍の本音

アメリカでの島袋里奈さん殺害報道を受けて、本国のネットユーザーが書き込んだ内容を少し紹介しよう。

『またなのか?』

『こういうことは、海外にある米軍基地の周辺で頻繁に起こっている。米軍の関係者たちは、自分たちが相手の国を守っていると思っているから、その国の市民に対して敬意を払っていない』

「この米兵は帰国すれば、海外で何をやったかに関係なく、米国のために尽くしたと称えられて歓迎される」

際限なく繰り返される凶悪犯罪を知りつつも、「俺たちはむしろ感謝されるべきだ」と思っており、「治外法権のバカンス先で何をやっても、本国に帰ればチャラ」といった意識が米国人の中にあることが伺える。

(アフガニスタンに展開する海兵隊員とV-22オスプレイ Photo by Cpl. Colby Brown)
(アフガニスタンに展開する海兵隊員とV-22オスプレイ Photo by Cpl. Colby Brown)

日米地位協定

1995年の沖縄米兵少女暴行事件から少し風向きが変わり、米兵の犯罪に対しての裁判のあり方が変わってきた。

しかし全体的にはまだまだアメリカ本国での犯罪に比べて刑罰は軽く、彼らの中には優位な地位協定に守られているという意識は高いだろう。

アメリカ軍における性暴力の実態

日本人に対する凶悪犯罪の原因をまとめてきたが、沖縄を含め米兵による性被害の事態を参考までに載せておく。(少し古い資料で申し訳ないが・・・)

「カリフォルニア州図書館調査局が昨年9月に発表した実態調査によると、イラクとアフガニスタンに派遣された女性兵士の33.5%が米軍内でレイプされ、63.8%が性的いやがらせを受けたと回答した。国防総省も問題を認めている。

米国防省の「米軍の性暴力に関する年次報告」(2011年度版)によると、2011年度内に申告された性暴力は3,192件で、過去10年間で最悪だった2009年度の3,271件に匹敵しています。

しかもこの米国防省の報告では、申告されていない性暴力も含めれば約1万9千件になり、1日平均で52件にも達することが指摘されています。
※被害者の中には男性も含まれる。 実に27分に一件の割合だ。

2012年6月に米海軍省が公表した報告書によると、2011年度に沖縄の海兵隊基地群で申告された性暴力事件は67件で、2番目の件数となる他国の米軍基地の発生率の2倍以上にもなっています。米軍基地内の被害者の多くは女性兵士ですが沖縄の米軍基地には多くの日本人従業員が勤務しており、日本人が被害者となるケースも生まれています。

アメリカ軍人による性暴力の実態は醜さを如実に現しているが、沖縄海兵隊基地軍の性暴力事件の高さが気になるところだ。

(銃を構えるアメリカ軍海兵隊の女性兵士)

思いつくままにつらつらと書いてきてしまったが、こうした原因が複雑に絡まって凶悪事件は起きる。

政府が教育の徹底だ何だのと騒いでみたり、日本国民が『こんなに大きな事件になったんだから、もうそろそろ分かってくれるだろう』と淡い期待を抱いてみたところで、おそらくこうした事件は無くならない。

人権問題の部分はさて置き、考えてみれば兵士とはこの世で最も愚かな職業(兵士になる人間が愚かだということではない。人と人が争いをするための職業が存在しなければならないという現実が愚かだということだ)だし、その兵士が活躍する戦場はこの世で最も狂気の場所だ。

兵士が一般市民の理解できない狂気に染まっていくことは、考えてみればそれほど不思議なことではないのかもしれない。

今後の対策と傾向

政府には今までの弱腰の対応をやめて、抜本的な対策に乗り出してもらいたい。

事件・事故・災害・・・

『人が死んでるんだぞ!このままではいけない!』

人間が重い腰を上げ、本気で対策に乗り出すのは、人が死んだ時でしか有り得ない。

裏を返せば、このタイミングで動かなければ、いつ動くというのだ?

次にもうひとり死人が出るまで悠長に構えているつもりなのか?

まずは日米地位協定を改定し、凶悪犯罪に関してはいかなる時も日本の法律できっちり裁けるようにすべきだ。

『凶悪犯罪に関してはアメリカ側も好意的な考慮を行う』などという小手先だけの改善(改定ではない)ではダメだ。

2002年に横須賀で強姦被害に遭ったオーストラリア人のキャサリン・フィッシャーさんは、『事件が起きるたびに日本政府は怒るふりをして、米国は再発防止を約束ふりをする『と声を荒らげる。

米兵による被害者をこれ以上出したくはないと、PTSDを患い、家族や私財、人生までも犠牲にして再発防止を訴えてきた彼女の思いを横目に、政府同士の形骸化したやり取りが新たな被害者を生む。

今こそ抜本的な改革が求められる。

(横田基地のF-22ラプター戦闘機と在日米軍兵)

こうした議論を持ち出すと必ず、

『主な国際条約では出兵中の兵士は、現地で犯罪を犯しても、自国の裁判で裁かれる』という条文を持ち出して、『海外派遣された自衛隊が罪を犯した場合、現地の法律で裁かれてもいいのか』と飛躍した理論を持ち出す人間がいる。

だったら交渉すれば良いではないか。

その為の対外外交部隊ではないのか?

海外派遣された自衛隊が一体今までどれほどの凶悪事件を起こしてきたというのだ。勉強不足なだけかもしれないが私はそうした事実は知らない。

ところが在日米軍はどうだ?

戦後日本に駐留してから婦女暴行だけで200件近い被害が出ている。もちろんこれは氷山の一角に過ぎないだろう。

島袋里奈さんの暴行殺人事件を契機として、次回このようなことが起こった場合は、即刻地位協定を改定させる条件を付ければいい。

繰り返される凶悪犯罪の度に口先だけの反省と、役に立たない再教育を掲げる在日アメリカ軍の実態を世界に知らしめ、米軍が駐留するならば必要な改定条項であることをしっかりと世界に知らしめるべきだ。

(東日本大震災で協力する海兵隊。もちろん現在の日本の国防も含めて、在日米軍の力の大きさは分かっている。Photo by Official Marine Corps photo by Lance Cpl. Garry J. Welch)
(東日本大震災で協力する海兵隊。もちろん現在の日本の国防も含めて、在日米軍の力の大きさは分かっている。Photo by Official Marine Corps photo by Lance Cpl. Garry J. Welch)

お隣さんもそうしてるんだから、ウチもこうしよう。

日本のこうした文化を悪いとは言わないが、世界の条約がこうだから、日本もこうだ。という考え方しか出来ないのなら、日本の外交に未来はない。

もっともドイツなどは地位協定を改定している。ドイツがこうなのだから日本も改定とはならない。アメリカの顔色ばかりをうかがって、こうした良い部分は真似できないのは、単なるヘタレの証拠だが・・・

日米同盟を気にする人も多いが、当のアメリカでは大統領候補のトランプ氏が言いたい放題だ。

世界で唯一の超大国体制が崩れるのは必至で、トランプ氏が当選しなかったとしても、遅かれ早かれこの問題はやってくる。

いい加減アメリカべったりの政策はやめ、気概だけでもアメリカに真っ向から戦争を挑んでいった侍たちの精神を思い出してもらいたいものだ。

あくまでも気概だけで結構だが・・・

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