【心温まる子育てマナーの話】『ならぬことはならぬものです』

感動する話

地下鉄の中での出来事。

椅子に座ってうとうとしていると、近くで小学校低学年くらいの男の子が、車内のつり革にぶら下がって、遊び始めた。

子供の母親は、人生の半分はネイルに費やしてるんじゃないかと思われる、ド派手なキャバ嬢みたいな格好のギャルママ。

迷惑そうに子供に目を向ける他の乗客達も、ギャルママの格好に(親がこれじゃあね・・・)みたいな感じに。

諦めムードが車内に充満し始めた次の瞬間、

人物
母親
○○ちゃん、やめなさい

すかさず注意する母親。

しかし注意され、一旦大人しくなった男の子だったが、暫くするとまたつり革で遊び始める始末。

それを見ていた母親がまた注意。

○○ちゃん、やめなさいって言ってるでしょ!

それを聞いた男の子。

人物
どうしてダメなの!?

その問いに対して母親が一喝。

人物
母親
どうしてもこうしても、ダメなものはダメなの!大人がダメだと言ったら素直にやめなさい!!!

素晴らしい!

最近、ただでさえ子供のヤンチャな振る舞いにキチンと注意出来ない、 或いはする気すらない親が増えている中、小難しい理屈など 一切こねることなく、ダメなものはダメ!と一喝出来る「親力」の高さ。

久々に感激いたしました!しかも、見た目が見た目だっただけに感動は2倍。

勿論余裕のある時や、場合によってはその場でしっかり理由を教えてあげなきゃならない時もあるが、やはり公共の場での子供の叱り方の基本は、これですよね!

「什の掟」ならぬものはなならぬ 

私の母親は会津出身。

会津と言えば「八重の桜」でも有名になった、 「ならぬものはならぬものです」の、お国柄。

私も小さい頃、母親に「ダメなものはダメ!」とよく怒られたもの。

話がそれたが、会津には江戸時代、武士の子供達(5歳から9歳)は、それぞれ十人前後の グループに属していた。

これを会津では「什(じゅう)」と呼び、そこには「什の掟」が 存在した。

「什の掟」の典型的なものがこちら。

【什の掟】

一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

「什の掟」を締めくくる言葉が「ならぬものはならぬものです」

つまり、「これこれこの様な(什の)掟を作りました。これよりはこの決められたルールを破ることは、断じて許しませんよ。」 ということだ。

近年ではこの「上記の決められた掟を破ることは」という部分が疎かになり、単に「ダメなものはダメ」と言う部分のみが一人歩きしているように思う。

結果、正しく理解しないままに使っている人が多いという苦言が、ネット上で見られる。

しかし、私はその辺の細かいことは、正直どうでも良いと思っている。

要するに最も大切なことは、それが客観的なものであれ、主観的なものであれ、この世の中には「ダメなものはダメ」(言い換えれば、何でも思い通りにやっていいわけではない)という、燦然と輝くルールが存在するということをきちんと教えること。

それによって子供の自制心を育ててやることではないだろうか?

その基本的なルールすら分からずに育ってしまい、物事の分別も分からぬ大人になってしまっては、一番不幸なのはその子自身なのだから。

何故ダメなのかは後で説明するとしても、大人がダメだと思ったことについては、先ずは「ならぬものはならぬもの」と、きちんと言える社会でありたいものだ。

母親と息子のその後・・・

言いたいことは書いたのですが、せっかくなので母親と息子のその後を少し・・・

男の子がつり革で遊んでいた時、靴が脱げ、近くにいたおばあさんに当たってしまった。

ひとしきり子供を叱った母親は、お婆さんの元へと男の子を促す。

人物
母親
じゃあ、行ってきな
人物
男の子
さっきはごめんなさいm(_ _)m

おばあさんに向かって頭を下げると、アメをひとつおばあさんに手渡した。

人物
男の子
ママが渡してこいって・・・
人物
おばあさん
あらまぁ!有難う、優しいんだねボクは(*^_^*)

笑顔でアメを受け取るおばあさん。手を口のあたりに持っていき、内緒話をするような仕草で男の子に語り掛ける。

人物
おばあさん
ママの手前、大きい声じゃ言えないけど、男の子は多少元気いっぱいのほうが、女の子にモテるよ

違えねぇwww

思わず他の乗客ともども吹き出してしまった。

照れくさそうに笑う男の子、後ろから満足げな表情の母親、遠目から優しく見守る他の乗客達・・・

車内がとても温かい雰囲気に包まれた一瞬だった。

子供は社会全体で育てる、そんな言葉がぴったりのある日の日常の出来事。

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