【大学中絶物語】社会人になって振り返る学生時代の中絶経験

  • 2018年4月28日
  • 2020年9月12日
  • 中絶

男子大学生の中絶体験記

【知っておきたい妊娠と中絶のこと】

筆者(ユウスケ氏)が大学生の時に、彼女の妊娠中絶手術を共に経験した時の記録を、男性側の目線で書き記した体験談です。

少しでも、妊娠された方や中絶をお考えの方にとって、後悔のない選択ができる手助けになれれば幸いです。

「過去の過ち」を振り返って

僕は大学時代に彼女を妊娠させてしまい、経済的な理由で人工妊娠中絶するという経験をしました。あれから5年近くたち、社会人生活も2年目がもうすぐ終わります。

意図せず妊娠してしまったということ。そして自分たちの都合で人工妊娠中絶をしたことへの後悔や罪悪感は消えるものではありません。

しかし、目の前の出来事と向き合うのに必死だった中絶直後からしばらく時間がたって、大学を卒業し、社会人になりました。給料が良い会社ではないものの貯金も100万円を超えて余裕をもった生活をしています。

5年の月日がたち、過去の捉え方が変わってくる部分がたくさんあります。今回はその変化を言葉にしていきたいと思います。

当時の自分の選択肢の狭さ

社会人になって、中絶した過去を振り返った時に最大の変化は、今の自分の『選択肢の多さ』です。

『もし仮に、今、彼女が妊娠したとしたら』と考えると、とりある選択肢はたくさんあります。

健康保険の出産育児一時金や出産手当金を受給したり、市町村の助成金の情報を集めてお金の不安をなくすことができると思います。

仕事についても、育児休暇を取ったり、雇用保険の基本手当を使ったりして調整できるでしょう。

子育て、家事についても、家事の時間を捻出したいなら、家事代行サービスを使ったり、家族に頼んだり、ルンバやオートシンクで自動化したりと、柔軟にどうやりくりするか考えられます。

ある程度お金に余裕があり、キャリアの選択肢も広がり、物事の捉え方が変わったからです。

10代で学生であった自分は、途方もなく『選択肢が少ない』立場にあったことを痛感します。

貯金額はわずか数万円でした。来月の生活費も保障できない状態で、アルバイトをして毎月10万円弱ほど稼いで食いつないでいました。

妊娠、結婚、出産、子育てについても全くの勉強不足でした。

知識があれば選択肢は広げられる

一方で、『もう少し知識があれば、選択肢を広げられたかもしれない』とも思います。それが僕がこのブログを書いている理由です。

お金がない学生でも、出産し子どもを育て、社会生活を送っていくための方法はたくさんあります。

国や市町村など社会保障でお金の面の不安もある程度は取り除くことができるのです。

自分でできないことは人の力を借りればいい。

子育てや人生に正解はありません。

できない理由を探したり、完璧主義を貫くのではなくて、今の自分たちにできる最大限のこと、最適解を探していけばいいわけです。

ある程度知識を正しく持ち、それくらいの姿勢でいられたら、産むという決断ができただろうと思います。

タラレバではありますが、今の知識量と行動力があれば可能だったと思います。

周りの先輩や友達、親に少し意見を聞いて、自信を持ちきれなくなってしまっていましたが、今なら、健保に電話して、病院にも確認して、走り回って、情報をかき集めて、何とかできる自信があります。

改めて振り返ると、過去の自分の不甲斐なさを思い知ります。

人生で1番高い20万円の買い物

僕にとって人生で1番大きな買い物は、今でも約20万円の人工妊娠中絶手術代です。とても皮肉ですが、自分への良い戒めになっています。

20万円あったら購入できるもの

  • 最新のiMac 4K
  • スイス製の時計
  • ルイヴィトンの長財布
  • ゼンハイザーのオープン型ヘッドホン
  • 短期海外留学(フィリピンなど安めの地域に1週間〜1ヶ月ほど)
  • 海外旅行
  • 星野リゾートなど贅沢な国内旅行
  • 高級ブランドのバッグ
  • 指輪
  • 楽器

20万円で僕が欲しいものはこれだけたくさんあります。

このブログを書いているMacBook Proも16万円程度です。20万円を超える買い物はこれからもなかなかできないでしょう。

社会人になった今でも高く感じる『20万円』と言う金額は、学生時代の僕にとって大きすぎる金額でした。

親に借金して手術に臨み、そのあと必死にバイトしてお金を貯めて、茶封筒に1万円札を無造作に20枚入れて親に返した時の気持ちは、悔しさと達成感とが入り混じる、何とも言えないものでした。

経済的に自立しても子育てには覚悟がいる

社会人になると、知識も、考え方も、学生時代とは比べものにならないほどになります。そして何より、経済的に自立します。

ただし、大人もそんなに完璧な人間ではありません。大人は知識もお金もあって偉いと昔は勘違いをしていましたが、実際は子どもよりもしがらみが増えて、気持ちに素直になれなかったり、無駄なプライドを抱えたりしてしまうことも多いです。

僕の同僚で、1年以上不妊治療を続けて、なんとか妊娠して子どもを生んだ方がいます。赤ちゃんも一度抱っこさせてもらいました。中絶した罪悪感を忘れてしまうくらい、かわいくて、素直に尊い存在で、重たい命の感覚を味わうことができました。

命の尊さを知ると、これは知識やお金の問題じゃないんだなと改めて思います。母や父になる覚悟が子どもをもつ上できっと1番大事なんだろうと感じました。

自分の子どもがほしいと思わなくなった

おこがましさもあります。昔は子どもは絶対欲しいと思っていましたが、その気持ちがなくなりました。

中絶されてしまう命や、育ててくれる親を探している命がたくさんあることを知ったから、養子縁組や里親制度をつかって子どもを育てたいと思うようになりました。

しかるべき変化かと思います。

中絶した過去を、そのまま受け入れる

つらつらと振り返って考えたことを書いてみました。

今の僕は僕はふつうに生きてます。中絶が絶対悪で、産むのが絶対正義だなんて簡単に決めることは誰にもできません。かといって、無理に自分を正当化することもしないです。

ただ、ありのまま、がんばって生きる自分を受け止めることができていると思います。

人殺しだとか、地獄へ落ちた方がいいとか、そういう意見もわかるし、妊娠したくてもできない方の苦痛も何人かの話を聞いて本当に申し訳ないくらいに理解できました。

そういう批判や過ちとしての自分の過去を、自分自身でも全面否定してしまうのは、何か違うんじゃないかなと思います。

もちろん、向き合うべき問題だけど、それだけが全てではないし、それで潰れてしまっては誰も報われません。

自分の人生に折り合いをつけて最適な答え、自分にできる範囲の答えで生きていけばいいんじゃないかなと。

中絶した過去をそのまま受け止める。それでいいのかもしれない。それではダメなのかもしれない。

それも結局、自分の心が決めることなら、前向きに捉えて生きた方がきっといいと僕は信じてます。

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