【宗教は人を幸せにする?不幸にする?】親の葬儀への出席を拒否した宗教家の話

【とんでもない遺族の話】

人がその一生を終えた時、その最後の花道として準備されるセレモニーが『葬儀』だ。

『人は生きてきたようにしか死ねない』

十人十色。だからこそそこには様々なドラマがある。

いったい何人の人を送り出してきただろうか…

葬儀を通して実に様々な出来事を体験してきた。

  • 大切な人の死をきっかけに、遺産相続等の親族間のいざこざでいがみ合う家族
  • 生まれ変わってもまた結婚したいと話す、妻を亡くした90歳を超えるおじいちゃん
  • 葬儀社に対して横柄な態度をとるお坊さん、(お坊さんは誰に対しても良い人、優しい人であるというイメージだった)
  • 徳が高い人だった事が伺える、会葬客がひっきりなしで訪れる涙なみだの葬儀
  • 自ら命を経つ人の多さ
  • 参列者が比較的高齢で、式の最中体調が悪くなって救急車を呼ぶ事態が珍しく無い事
  • 霊感がある方は、やはり葬儀場では良く幽霊に出くわすという話
  • お坊さんが時間を2時間間違えており、親族は泣き出し、会葬客はざわつくというトラブル…

この手の話は枚挙にいとまがないが、毎日ある意味刺激的すぎる日々である。

そんな中、駆け出しのころに体験した、色々な意味で考えさせられた思い出深い葬儀があったので、紹介させていただきたい。

とある80代の女性の葬儀だ。

夫とは離婚しており、子供2人(長女・長男)を、女手ひとつで苦労して育てたようだった。

布団の上で両手を組み、眠るその女性の表情は穏やかだった。

喪主は長男が務めた。

葬儀内容の打ち合わせは、日程から始まって、場所、葬儀の形態、遺影写真の選別、返礼品や料理の数まで、実に多くの事を打ち合わせしなければならないのだか、長女(喪主の姉)は死亡場所の病院はおろか、打ち合わせにも一切顔を出さず、長男とのみ話が進められた。

触り程度に話には出てきたのだが、深く立ち入る訳にも行かないので、こちらも敢えて触れずにいた。

菩提寺の意向で葬儀は(仏式の)二日葬と決まったが、長男の希望により参列者は本人のみの、最小規模の密葬となった。よって故人の友人や親族さえ訪れることはなかった。

無事に通夜が終わり告別式の日となった。

開式前、ロビーに見知らぬ女性の姿を認め、少し驚いた。

長男から自身の姉(故人の長女)と聞かされて、さらに驚いた。

(一体今までどこで何をしていたのだろうか?)

しかし、私をさらに困惑させる事態が待っていた。

母と最後のお別れをする様でもなく、こちらがいくら促しても一切式場に足を踏み入れることもなく、控室でただただじっと過ごす長女の姿を見たのだった。

そのまま長男ひとりが参列した告別式は静かに終了した。

いよいよ出棺の運びとなった。

通常出棺して火葬場へと向かう際は、遺族・親族が手分けして位牌、遺影写真を持つのだが、ここでも姉は参加せず。

いささか手が不自由な長男は、全て一人で持てるように大きな紙袋を準備していた。

それを一人で持つ長男の寂しい姿があった。

長女はと言うと、火葬場にも同行しないばかりか、あろうことか出棺する霊柩車も見送らずに、そそくさと帰ってしまったのだ。

一人たたずむ(60代持病持ちで弱々しい)長男の後ろ姿が、今も記憶に残っている。

火葬場で長男から聞いたところによると、姉は入信している宗教上の理由により、(他宗教の)葬儀には参列してはいけないという掟があったようだ。(姉はその宗教団体においてはそれなりの地位の人)

亡くなった人がどんな人格だったか、どんな人生を送ったのか、本当のところ私には分からない。もしかしたら、ひどい母親だったのかもしれない。

生前母親は娘の信じる宗教を認めていて、自分の葬儀には参加出来ないことに、理解を示していたのかも知れない。

何を信仰するかは自由だ。

しかし、故人は本当は最後どんな別れ方を望んだのだろうか…

残された姉弟の今後の関係性どうなるのだろうか…

知る由もないのだが、当時駆け出しの葬儀屋だった私には悲しい出来事であり、宗教とは何なのか、深く考えさせられるきっかけとなったのは、紛れもない事実だ。

真の『宗教』とは、厳しい反面、本質はこの上なく『寛容』な存在…

そうあるべきだと思うのだが、如何だろうか…

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